死への一直線上にいる

極彩色のスパークが脳裏で弾け

僕等はそこで唄を聞く

冷たい終焉へと向かう禍唄を




ナイフを振りかざし

千切れた足を引きずり

少年は荒れ地を駆けた

小銃を乱射し

折れた腕を垂れ下げて

少年は走り続けた




誰もいなかった

そこには人はいなかった

いるのは血を求める獣

生き血を啜り

死を恐れず

ただ己の快楽の為に赤にまみれる




少年は笑っていた

所詮は自分も同じなのだ

肩に刺さった矢を抜くことすらしなかった

俺は人ではない

痛みはない

誰かの爆弾が爆発した

折れた腕は吹き飛んだ




ふと目の前に人が立つ

奇妙な程にそれは人のようだった

殺すのか?

殺されるのか?

銀のナイフが煌めいて

少年は人の目が光ったのを見た

少年は涙を思い出した




狂ったのは怖かったからだ

殺されることが恐ろしかったからだ

消滅を恐れたのだ

少年は聞いてみた

お前は俺を覚えていてくれるか?

人は静かに頷いた

ナイフが獣を切り裂いた




死ぬ為に生きている

モノクロに転じる視界の中

僕等は狂気の夢を見る

僕等はただの獣だった

人に狩られるその時まで

僕等は幻の中にいるのだ




喉に触れる冷たい刃