電柱の陰
机の下
寝台の中
山中の木陰
絶対零度の水底
閉ざされた瞼の裏で
閉鎖し破壊された空間で
少女は泡を明かりに進む
閉ざされた未来を信じ
破滅へと至る道程の中で
少女は己が何者かを知る
そこの響くのは果てのない慟哭
君は知っているか
この世にある絶望を
君は知っているか
この世にある暗黒を
君は知っているか
人は何処へ向かうのか
君は知っているか
人は何を捨て去るのか
少女は夜闇に手を触れる
ねっとりと呑まれていく手首
少女は未来に背を向ける
目にかかるのは闇の目隠し
少女は背後に死を思う
心に突き刺さるのは氷の刃
少女は暗黒に辿り着く
そこにあるのは何もない事実
人は迷う
人は惑う
人はためらう
人は誤る
人は
人は
人は
少女は
誤り惑って
迷いためらって
暗黒へと辿り着くのだ
君が辿り着く暗黒。