果てしなく広がる遠い空に夢を描いた

足で砂に書いた言葉は歪み

寝る間を惜しんで紡いだ糸は絡まり

海に投げた手紙はゴミになった

灯りを点した灯台は廃墟と化し

極彩色の花はシワだらけになり

君がいた椅子は風に崩れた

僕は1人でここにいる

今も君を待っている




待っている

誰もいなくなった瓦礫の上

待っている

干上がった魚の隣

待っている

枯れ果てた木々の虚の中

待っている

ガラスを失った教室の片隅

待っている

体が腐っても

待っている

理由すら忘れても

待っている

待っている

待っていた

君は影すらも届けてはくれなかった




確かに楽園であったのだ

鳥が唄うこの場所は

確かに楽園であったのだ

花が咲き乱れるこの場所は

確かに楽園であったのだ

風が囁くこの場所は

確かに楽園であったのだ

月が見守るこの場所は

確かに楽園であったのだ

君がいたその時までは




届かない祈りは永久に届くことはなく

君はかの地で笑うのだ

僕はここで絶えるのだ

君が去った楽園はもはや骸に等しい




花が泣き

鳥が泣き

風が泣き

月が泣いても

君は戻らない




楽園はセピアに染まりここにある

君が帰るその日まで

この世界の終わりまで




貴方がいない楽園。