縁側に出ると、いつも彼女がいる。
ゆっくりと丁寧に動く針。積み上げられた着物。日を浴びて透き通るかに見える白い肌。高い位置でまとめた黒髪。
フワッと笑みをこぼして、新八は彼女に近づいた。
「お疲れ様、。」
「永倉さん。」
微笑み返すの隣にひょいと座って、新八は彼女の手元をのぞき込む。
「きれいだね。」
「そうですか?ありがとうございます。」
彼女の声は真綿のようだ、と新八は思う。
暖かくて、どこまでも優しく包んでくれる白い綿のようだと。
側にいるとその優しさに酔ってしまいそうになる。
「ね、。終わったら出かけようよ。」
「構いませんが、どちらへ?」
「河原まで。そろそろ桜が見頃なんだよネ。」
その言葉に嬉しそうにが笑う。
花が笑ったようだ。何気なくそう思って新八はそっと花に手を伸ばした。
優しく口づけて黒髪に指を絡ませる。
「・・・。」
「・・・はい、何でしょう。」
「好きだよ。」
「はい、私も。」と言って笑ったは桜の百倍美しかった。
<FIN>
君こそが